節操のない回答になるかも知れませんが、入れ歯が痛くて食事がまともに出来ない、と言う問題の解決にはインプラントは確かに使えるものではあると思います。体に掛かる肉体的侵襲の度合い、治療期間の辛さとインプラントした効果の両方を考えてどうされるのか、ではないでしょうか。女性の場合、まだこれから先の人生が10年以上考えられる時代ですから。例えば、体への負担、治療期間、現実的に掛かる費用、と考えて、インプラントオーバーデンチャーと言う治療方法が、第3の道として良いかも知れません。この方法でしたら、義歯を支えるインプラントを要所に最低本数植立すれば可能で、インプラントの支えが加わることで義歯が動いたりすれたりしないで済んで、噛むと言う機能回復には非常に効果的です。しかも、良い点はメインテナンスがし易い、と言うのもあります。義歯を外して清掃できるので、一般的なインプラントを何本も植立してブリッジにする治療方法に比較して、格段に綺麗にし易い、高齢者に向いている治療方法だと思います。治療期間中でも、義歯をそのまま使うことも出来ますし、今お使いの義歯をそのまま支えるようにすれば、費用もインプラントの支え分だけで済み、インプラントブリッジの方法に比較したら、やはり比べ物にならない位低額に出来る筈です。お困りの義歯が下顎なら、歯科用CTでしっかり精査して、骨の状態を把握してしっかりと植立すれば、その日から義歯の支えとして活用出来る可能性もあります。そうなれば、手術受けた日から義歯の動き、こすれからの痛みから解放されます。義歯の沈み込みを支えて差し上げられるだけで、相当に患者さんは痛いのから解放されます。費用は、左右の下顎にインプラントして、支えの装置付けて、インプラント2本,装置2個になるでしょうから、60〜80万前後ではないでしょうか。これでも充分高額ですが、インプラントブリッジにされたら、インプラント1本と上部冠1個で30〜40万掛かり、本数分の掛け算になりますので、相当な額になると思います。なので、費用と効果のバランスから、インプラントオーバーデンチャーを、私はお薦めします。メリット、デメリットは、上に書いていることで重複すると思いますので、書きません。お母さんの今後の人生が掛かっている重要な選択だと思いますので、充分にお考え下さい。因みに、インプラントオーバーデンチャーは、特に義歯とインプラント治療、歯周病の3者に精通していないと、意外に難しいので先生の選択はよくよく慎重にされることを強くお薦めします。義歯が納まりが良いようにインプラント植立しないといけませんし、清掃性、メインテナンスへの配慮もされた手術が求められますし、義歯調整力も求められますので。追加ですが、インプラントオーバーデンチャーの治療が上手く行くと、非常に良く噛めるようになり出しますので、義歯がプラスチックだと弱くて壊れることがあります。その場合は、申し訳ないのですが、金属床の自費の義歯に治されることもお薦めします。これは、ある意味喜べる現象かも知れませんし。本当に噛めるようになった、しかも痛くも何ともなくで、ですから。
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